
『
ICE かくて愛は凍りついた』(著:平野靖士 イラスト:玲依 富士見ファンタジア文庫刊)を読了。
すみません、今回はかなり感情的に書いています。そういうのが嫌な人はココで読み捨ててください。
【“ICE かくて愛は凍りついた”の続きを読む】テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

『
クリア・ヴォイス』(著:飯田雪子 イラスト:裕龍ながれ GA文庫刊)を読了。
あっさりというか、引っかかる所がなくてなんとコメントすればいいのか迷います。共感出来る所が無かったというか……。
家庭の事情で高校を辞めた花南は、叔父の経営する探偵事務所で雑用兼アシスタントをこなしながらようやくやってきた探偵としての初仕事の意気込む。任務は通訳兼ボディーガードというが、デビュー前の無名の歌手にガードなど必要なのだろうかと疑問に思っていると、空港で爆発事件に巻き込まれ──。
ヒロインの花南がとらえどころがない少女で、普通じゃないんだか普通なんだか理解出来ず共感が出来ませんでした。センシティブで感受性が強い書き方をしているのだからそれをもっと生かして、はっきりとキャラが掴めるようなイベントやシーンを描いてくれると読み手としては嬉しいんですけどね。
あとテーマが言えない相手に自分の言葉で伝える事というのは何となく分かったんですがキャラもストーリーもそれらをきちんと見せていたかというと疑問符が浮かびます。また終盤でヒロインと護衛対象の少年とのラブ話が結構唐突に見せつけられるので、ただ驚くだけしかなかったのもどうなのかな。ヘタに花南と彼女の母親との確執の解決をラストに持っていくよりは、始めから少年が持つ力──共感を強制的に起こさせる声──を軸にして花南が彼へ持った恋愛感情が偽りかと疑い、二人がすれ違いつつもそうではなくて本当の恋と自覚するという方向のストーリーだったら読み手も共感出来たように思います。ドラマの山と谷の作る方向性がおかしかった、と言ったら言いすぎでしょうか。
あらすじにしたらベタで王道ですけど書き方によってはいくらでもオリジナリティは出せると思うのですけど。
【オレ好き度】★★☆☆☆
テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

『
銀の手のシーヴァ ハカセとコトリ』(著:立原透耶 イラスト:高山瑞季x曽我部修司 GA文庫刊)を読了。
うーん、微妙。主人公とその親友の結びつきを描きすぎてBLっぽいというか……。ヒロインが添え物っぽく感じられてイマイチ楽しめませんでした。
魔法王国の継承者という身分を捨てて、親友と共に異郷と呼ばれる地へ行こうとするが転移に失敗して機械が人間を支配する機械帝国に迷い出てしまう。そこで出会った機械人形の少女コトリと共に狂った世界の陰謀に巻き込まれていくが──。
文章自体は軽妙で読みやすいのですが、最初に挙げたようにBLくさくて良い悪い以前に拒否反応が有りました。
そもそも主人公が継承権を捨てて家出まがいな事をしようとするのかが良く分からなくて最後まで物語に入り込めませんでした。主人公が何をしたいのかが共有出来ないのってキツイです。ヒロインのコトリも、主人公一途な押しかけ女房の星華も可愛い一面は有るものの物語と上手く噛み合っていなくて惹かれるモノを感じる事が出来ません。
狂った世界が一人の男の絶望だった、というのは悪くないのですけど主人公側のアンチテーゼになる動機が弱すぎてよくある設定になってしまったので何とも勿体なかったかな。
人間が食料にされているという部分もSF映画のソイレントグリーンまんまで、もうちょっと捻って欲しかった。機械の体についても999的な内容だけじゃなく、同じ松本零士のマシンナーシリーズとかダイバー0などの機械の体であることの悲哀というモティーフをコトリに対して上手く取り入れていけば、魅力的な要素になっただろうなぁ。
イラストは結構好みです。星華がコケティッシュでとても可愛らしいです。
【オレ好き度】★★★☆☆
久しぶりの更新。いやぁ、「仁義なき戦い」と「トラック野郎」、「ダイナマイトどんどん」と映画にドハマリしていて読むのが遅くなってしまいまして。菅原文太はやっぱ良いなぁ〜。男惚れしてしまうわ。
テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

『
聖工の末裔』(著:八原ゆうき イラスト;しのづかあつと HJ文庫刊)を読了。
う、うーーん。書きたい、と思うモノは分かるんだけど容赦のない苛烈さも、胸のわだかまりが晴れ渡るような癒しも得られないもやもや感だけが残ります。
かつて、世界に秩序と調和をもたらした「聖工」の技。それらを悪意を持って使う人々により、世界に災厄をもたらした後に「聖工」はその技を封印し、歴史の帳に消え去ったと言われる。全てを奪われた少女がその「想い」の源を取り戻そうと一縷の望みを託し、未だに技を伝えるという「聖工」を求めて職人が集う街にやってきて──。
ファンタジーもの。突き詰めればテーマはヒロインが死んでしまった愛した人を取り戻したいという気持ちと、その為に命を捨てようとするヒロインの心と命を救いたいという少年の想いです。
それが十分に見せられなかったのが残念です。視点がヒロインサイドと少年サイドに分散してしまい、両者の想いが最後にならないと重ならないので読んでいて感情移入出来なかったため楽しめませんでした。死んでしまった恋人を取り戻すために、死のうとするヒロインの気持ちを何とかしたいと想う少年と同化するような描かれ方だったら、作者が意図するように楽しめたように思います。
ヒロインや少年の置かれた状況自体はなるほど、と思う所があるのですがそれらが覆い被さってアンサンブルを奏でるようにならず、不協和音とまでは言いませんが好き勝手に奏でていただけに感じ共感まで至りませんでした。これはそれぞれのキャラをきちんと語っていないため、行動理由に今ひとつ真実味がなかった為かもしれません。
切なさっていうのはキャラ達が抱いている想いを読み手にも同じように抱かせて心情を重ねる事が出来ないと、共有できないものだと改めて感じました。
「聖工」という設定を活かすならば、その技を持つ少年がヒロインの本当の願いを叶えてあげる事が出来るという事をきちんとストーリーの途中、そして最後に明示したうえで、ヒロインとの心の繋がりが分かるようになっていたら読後が変わったのですが。
【オレ好き度】★★★☆☆
テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学